一時支援金の後継「月次支援金」とは?申請方法を解説!【奈良県】対象月4月~10月
緊急事態宣言に伴う時短営業や外出自粛の影響を受けている事業者に対し実施されていた一時支援金に続き、その後継として「月次支援金」の対策措置が取られました。
一時支援金のシステムを引き継ぐため、一時支援金の給付を受けた事業者には申請手順が簡略化され簡単に申請ができます。筆者環境でもこの月次支援金の要件に該当することが見込まれるので実際に申請しました。
ここでは、月次支援金について簡単に紹介とその申請方法を画像付きで必要最低限情報で解説します。
筆者は一時支援金を受給済みのため簡易申請が可能となり、実績を前提にするためここでは簡易申請で解説します。
月次支援金とは
「月次支援金」は、2021年4月以降に実施される緊急事態措置やまん延防止等重点措置に伴う、「飲食店の休業・時短営業」や「外出自粛等」の影響で、売上が50%以上減少した法人や事業者に事業の継続・立て直しなどの支援のために中小法人等には「上限20万円/月」、個人事業主等には「上限10万円/月」が給付される支援金制度です。
単位が「/月」となっている通り、上記はひと月あたりの上限額です。月次支援金は、筆者確認時点(10/2)で4月~10月の7か月分を申請できることが確定しているので、各月満額を受給できれば最大140万円(個人事業主は70万円)ということになります。
→2021年6月17日に7月も対象月に追加されました。
→2021年7月8日に8月も対象月に追加されました。
→2021年8月17日に9月も対象月に追加されました。
→2021年10月1日に10月も対象月に追加されました。
以前の支援金に「一時支援金」という制度があり、そのシステムを用いるため基本的に給付までの流れや申請方法は一時支援金とかなり類似しておりますので、一時支援金を受給した方は比較的わかりやすい制度なのではないかと思います。
「そもそも一時支援金がよくわからない」という方のために一時支援金の申請についてまとめた記事がありますのでそちらを確認してください。こちらの申請受付は終了していますが、仕組みや申請までの流れなどがほとんど同じです。月次支援金の申請方法にも関連することなので参考にしてください。
一時支援金と同様に、月次支援金についても単純に申請をすれば良いというわけではなく、申請前に実際に事業をしているかどうかなど、確認機関による「事前確認」をしなくてはいけません。後述しますが、一時支援金受給者はこの手順をスキップできます。
ポイントは、各月それぞれで申請する必要があることです。
売上50%以上減少の要件がありますが、この制度では一時支援金のときのように任意の対象月を選ぶのではありません。各月それぞれで2019年または2020年同月比で判定されるため、月ごとに申請する必要があり、全ての月で要件を満たしているのが確認できていて給付を得たい場合は、5か月分申請する必要があります。
(今後の状況により9月以降も延長される可能性もあるようです)
例えば、4月分の申請をする場合、「2019(または2020)年4月の売上」と「2021年4月」の売上と比較して50%以上減少していることを確認する必要があります。
「2021年4月」分の申請において、「2019(または2020)年5月」比で売上50%以上減少していても要件を満たしません。
つまり、
2021年4月分は2019(または2020)年4月の売上、
2021年5月分は2019(または2020)年5月の売上、
2021年6月分は2019(または2020)年6月の売上
・・・
を比較して50%以上減少している月があれば、その月の売上減少の要件に該当することになります。いずれかの月で要件を満たさない場合はその月の要件からは外れて給付対象外となります。いずれかの月が対象外になっても、すべての月が対象外となるわけではありません。
また、休業や時短営業に関わる飲食店当事者や関連事業者はもちろんのこと、「外出自粛による影響」も給付要件のため、ほとんどのサービス業に携わる事業者も対象になります。
申請は原則オンラインのみ。
オンライン申請が困難な場合は事務局設置の申請サポート会場が利用できるので事務局に問い合わせてみてください。
申請期限は、
4月分/5月分が「2021年6月16日~8月15日」、
6月分が「2021年7月1日~8月31日」
7月分は「2021年8月1日~9月30日」
8月分は「2021年9月1日~10月31日」
9月分は「2021年10月1日~11月30日」
10月分は「2021年11月1日~12月31日」
です。
一時支援金との違いは?
申請のおおまかな流れは一時支援金と同様ですのでここでは割愛します。
では、一時支援金のときと月次支援金における違いは何なのか?申請と並行して違いとなる個所やポイントとなる点を調べました。
■一時支援金受給事業者は提出書類や「事前確認」が簡略化される
確定申告書や本人確認書類などの書類の準備と、申請前に事業の存在などを確認する登録確認機関による「事前確認」が必要ですが、一時支援金の時に利用した書類が月次支援金に引き継がれるので、改めて書類を用意したり「事前確認」をする必要がありません。また、月次支援金の2回目以降の申請も同様です。
対象月の売上台帳は都度、売上の比較判定に必要なので毎回必要です。
■「取引先情報一覧」の提出方法が変わった
一時支援金の提出書類の一つに事務局が用意する様式の「一時支援金に係る取引先情報一覧」があり、当初はこれを印刷し、売上の多い取引先の情報(事業者名、法人番号や住所、屋号など)を記入する必要がありました。
記入した様式をスキャンして電子ファイル(JPEG、PDFなど)に変換、アップロードする手順を必要としましたが、月次支援金においては、申請サイトの所定項目にて直接入力するように変更されています。
■申請は月ごとに必要
冒頭でも述べましたが、月次支援金は一度の申請で複数の月分をまとめて申請ということはできません。各月で要件を満たすかを判定し受給可否が決まるので、月ごとに申請します。
■一時支援金申請サイトで入力した項目が引き継がれる
実際に申請する際、申請サイトにて申請者の情報、銀行口座情報、過去や対象月の売上情報、提出書類のアップロードといった必要事項の入力などが必要ですが、一時支援金を受給していればこれらの情報が引き継がれるため改めて入力する必要がありません。
月次支援金の3つの申請パターン
一時支援金を受給しているかしていないかで申請パターンが異なります。下記画像の通り3パターンあり、パターン2とパターン3は一時支援金申請の際に入力した情報や添付資料が引き継がれているのですが、それらの変更ができるかできないかの違いです。特に変更なければパターン3(簡単申請)が名前の通り最も簡単ですが、パターン2で入力情報などを変更せずそのまま申請することもできます。
売上を比較する年(基準年)は、2019年か2020年のどちらを選ぶかは任意ですが、一時支援金で指定した年を変更する場合は、入力情報や提出資料に変更が無くても、パターン2の基本申請の手順になります。
簡単申請は基準年を変更することができません。
一時支援金の受給がなく初めて月次支援金を申請する場合は、申請の前に「申請IDの取得」と「登録確認機関による事前確認」が必要となりますが、そちらについても一時支援金の記事にまとめています。
それでは、実際の申請サイトで詳しくみていきましょう。
本記事では筆者の実際の申請(一時支援金受給者)を元に作成しているのでパターン3の「簡易申請」しています。
(4月分と5月分を申請しましたが、申請方法をより理解するため、4月分を簡単申請、5月分をパターン2の通常申請で申請しております)
月次支援金の申請方法
資料の準備
申請時に「宣誓・同意書」、対象月の「売上台帳」の2点のアップロードが必要になります。事前に用意しておくとスムーズです。
■「宣誓・同意書」
月次支援金HPからダウンロードできます。HPより「必要な書類」→申請者事業形態の「申請に必要な証拠書類」アクセスし、「宣誓・同意書」の項目にある「フォーマットはこちら」から入手します。
内容を確認後、日付と署名を記入し電子ファイル(JPEGやPDF)に変換します。日付は申請日より後の日付だと不備になるようですので、6月16日~申請日の範囲内で記入しましょう。
■「売上台帳」
エクセルや売上管理システムの抽出データで大丈夫ですが、無い場合は手書きでも良いです。以下が確認できることが重要です。こちらも電子ファイルに変換しておきます。
・売上台帳とわかる資料であること(タイトルに「売上台帳」の表記があるなど)
・対象月がわかること
・売上の合計金額がわかること
ちなみに筆者は手書きのもので申請しました。一時支援金の時も手書きのもので申請し不備連絡もなく受給できております。
申請
検索より「月次支援金」で上位ヒットする月次支援金の特設ページにアクセスし、「マイページ」をクリックします。一時支援金の時のログインページが表示されますので、ログインIDとパスワードを入力して「ログイン」をクリックします。ログインIDとパスワードは一時支援金の時に作成したものと共通です。
マイページが表示されますので「月次支援金の申請を開始する」をクリックします。以前にはなかった一時支援金の状況がリストされていました。
「対象月」を選びます。4月と5月の申請期間なので筆者の申請時点では6月は選べません。5月が対象の場合は5月を選んでください。「申請方法」を選び「申請を開始する」をクリックします。
ここでは「簡単申請」を選びました。必要に応じて変更してください。以降の画像は簡単申請のものですが、変更可否が違うだけでほぼ同じだったので通常申請の補足を入れながら進めます。
「宣誓・同意事項」全てを確認したうえで、チェックを入れ「次へ」をクリックします。必須事項が入力できればボタンをクリックできるようになります。
「取引先情報」のページでまず、申請者の事業所の「都道府県」、「市町村」を選び、「影響の種別」で該当する区分を選びます。緊急事態措置など実施地域の事業者と直接もしくは間接的に取引がある事業者はX区分に、外出・移動の自粛による直接的な影響の場合はY区分やZ区分になります。
ちなみに筆者の環境は、事業所在地が奈良県で、Z-2区分(緊急事態措置など実施地域からの個人顧客を含む事業者との取引が外出自粛により減少した影響)です。
次に「取引先一覧」を入力します。
「2019年の対象月と同月」、「2020年の対象月と同月」、「2021年の対象月」それぞれの売上の上位取引先2社を入力する必要があります。
筆者は、基本的にどの時期も同じなので、全て同じ取引先情報を入力しました。
「取引先の事業形態」を選べば詳しい入力項目が表示されます。法人の場合、法人番号を調べて入力すれば登録情報が自動で反映されます。
入力後「次へ」をクリックします。
※先述しましたが、この項目は一時支援金の時には無く、事務局が用意する様式に記入してアップロードしていました。内容を見たところ記入する内容が変わらないので入力の方法だけが変更されたようです。
申請者(事業者)の「基本情報」を確認します。ここの内容は、簡単申請の場合、一時支援金の際の情報がすでに入力されていますので確認のみです。もし、変更の必要がある場合は、簡単申請はできないのでここで申請をストップして改めて通常申請でやり直ししなければなりません。
「事務局からの連絡先」は簡単申請でも変更できるので、必要に応じて変更しましょう。なければそのまま「次へ」をクリックします。
「口座情報」を確認します。簡単申請の場合は内容の変更や提出資料の差し替えもできません。確認後、「次へ」をクリックします。
「特例適用の選択」ですが、筆者の申請時点では「一般的な申請方法」しかなく変更もできません。季節性のある事業(季節により売上変動)や新規事業(過去と比較する売上が無い)などの特例申請は後日、事務局が準備でき次第表示されるようです。そのまま「次へ」をクリックします。
「売上情報」を入力します。「基準年」、「基準年の確定申告書の種類」は確認のみです。変更する場合は、通常申請の必要があります。
各年月の事業収入欄は簡単申請でも変更できてしまうのですが、変更の必要が無い場合は対象月の売上以外は何もしない方が良いでしょう。
必要なところは2021年4月(申請開始時に選んだ月)の売上です。ページ下部でアップロードする「売上台帳」の合計金額と同じ金額を記入します。
入力すると「2021年の対象月の事業収入」に反映され、「給付申請額」が自動計算されます。
「売上台帳」をアップロードします。「名義」は「一致している」前提で進めます。
「次へ」をクリックします。
「書類添付」で、用意していた宣誓・同意書をアップロードします。「宣誓・同意書」以外は簡単申請では確認のみです。各書類のファイル名は、自分がわかりやすいように付けた名称なので特に指定があるわけではありません。
「次へ」をクリックします。
※「その他書類」のアップロード済みの「取引先情報一覧」は、前の項目で入力した取引先情報をまとめた書類です。一時支援金の時にはアップロードする必要があったのですが、そのまま引き継がれているので表示されたままのようです。
申請前の確認ページです。修正する場合は、戻って修正しましょう。一通り確認して問題なければ「申請」をクリックします。
「申請が完了しました。」と表示され今回の月次支援金の申請IDが表示されます。「マイページへ」をクリックすると月次支援金の状態がリストに追加されていることと、「詳細」ボタンのクリックにより、その内容が確認できるようになります。
※4月の未申請のリストがありますが、筆者が誤って申請の途中までしてしまったものです。削除できないので二重申請してしまわないようそっとしておきます。
また、5月分も申請できるため基本申請でもやってみました。一時支援金の時に入力した内容、アップロードした書類、売上を比較する基準年などを変更する場合は、基本申請での申請が必要です。特に変更しなくても申請できます。
申請開始時のページで「5月」、「基本申請」を選んで「申請を開始する」をクリックするだけです。後の流れは同じです。
申請完了するとマイページのリストにも5月分が追加されました。
修正依頼が無ければ数日後に申請ステータスが「お振込み手続き中」に、振込み手続きが完了すると「お振込手続き完了」に変わります。
営業日で言うと、
お振込み手続き中になってから3営業日で実際に振込みがあり、
振込み後4営業日でステータスが「お振込手続き完了」に変わる
という流れでした。同日に事務局より振込み手続き完了のメールも届きました。
入金スケジュールの詳細は後述の「入金状況」を参考にしてください。
入金状況
申請した方は、いつ入金されるかが気になると思いますので、参考までに筆者の入金状況を書いておきます。
本記事で紹介はしておりませんが、月次支援金の前身である「一時支援金」の期限が延長されたこともあり、事務局の処理が追い付いておらず、月次支援金の審査や振込み手続きに影響がでているようです。
筆者は初日申請(6月16日)ですが、過去記事の通り一時支援金のときは事前確認から8日目で入金があったのに対し、月次支援金はそれ以上かかっている状況です。
初めての入金は申請から22日目(16営業日)でした。
日付 | 状況 |
6/16(水) | 対象月4月、5月申請完了(20時頃) |
7/5(月) | 対象月5月のステータス変更 申請内容確認中→お振込み手続き中 ※入金はまだ |
7/7(水) | 対象月4月のステータス変更 申請内容確認中→お振込み手続き中 ※入金はまだ |
7/8(木) | 入金確認 ※振込の名目からは対象月の判別はできないできないが、 ステータスが先に変わった5月分だと考えられる ※この時点でステータスは「お振込み手続き中」のまま |
7/12(月) | 入金確認 ※この時点でステータスは「お振込み手続き中」のまま |
7/14(水) | 対象月5月の振込手続完了のメール受信 対象月5月のステータス変更 お振込み手続き中→お振込手続き完了 |
7/16(金) | 対象月4月の振込手続完了のメール受信 対象月4月のステータス変更 お振込み手続き中→お振込手続き完了 |
引き続き要件を満たす場合は申請予定です。
【対象月6月】7/13(火)申請 → 8/25(水)入金 (43日後(28営業日)に入金)
【対象月7月】※給付要件に満たないため申請無し
【対象月8月】※給付要件に満たないため申請無し
【対象月9月】10/3(日)申請 → 10/12(火)入金(9日後(7営業日)に入金)
【対象月10月】※給付要件に満たないため申請無し
まとめ
月次支援金の申請方法を解説しました。
この支援金は事前確認など、少々手順がややこしいところがありますが、飲食店事業者はもちろんのこと、地域を問わず幅広い業種への支援金制度でもあります。大半のサービス業は対象になるのではという印象です。
十分な額かどうかは事業の規模にもよるので一概には言えませんが、全く無いよりかはかなり良いと思います。経済的負担を少しだけでも軽減できる可能性があるので、要件を満たすのであれば面倒に思わずぜひ申請しましょう!
(*๓´╰╯`๓)
頑張りましょう!
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