引き戸のエアダンパーはサイズ違いでも代用可能?

バタンッ!と大きな音を立てて閉まる玄関ドア。

私が住む家の玄関は引き戸(スライドドア)なのだが、経年劣化のためかすごく大きな音を立てて閉まるのである。扉がゆっくり閉まるよう制御するパーツ、「エアダンパー」がもう寿命のようだ。ソフトドアクローザーやエアシリンダーとも呼ばれるパーツだ。

ゆっくり閉めるようにはするのだが、急いでるときや業者さんの往来、来客などどうしても、失念してしまうのである。あの音を聞いていると、閉まるたびに驚くことはもちろんのこと、ドア自体への負担がものすごく心配になる。ドア自体も関連パーツも20年は経過しているものだ。

そこでエアダンパーの交換を試みることにした。

ドアはTOSTEM(トステム)。
少しでも衝撃を和らげるため、現状では接触部分にクッションを貼っているのだが、効果的ではない印象だ。

上部のカバーを開けると、エアダンパーが確認できる。
エアダンパーは筒状の支柱、内部をストロークする棒状のもので構成されるものだ。正式な名称はわからないので、ここでは筒状の支柱を「シリンダー」、内部の棒を「ロッド」と呼ぶことにする。

仕組みとしては、ドアが開く時にドアと連動してロッドを伸ばし、閉まる時にロッドが縮むと同時にシリンダー内の空気が圧縮され、徐々に空気が抜けていくことで減速するというもの。注射器の要領だ。
ドアと連動するのは、ロッドの先端とドアの金属パーツがマグネットでくっついているためである。

どうやら、シリンダー内部の密閉が甘くなって空気を圧縮するということが正常にできていないために、ロッドの減速ができないといった状況のようだ。一般的にエアダンパーには速度を調節する調節弁があるのだが、これを変えてもあまり意味が無かった。

もちろんながら同じエアダンパー、いわゆる純正を購入するれば良いのだが、残念なことに型番の記載が無く、説明書も無い。このドアの取り付けに立ち会ったわけでもないので、このドアがTOSTEMの何のドアかもわからなかった。

仕方が無いので、似たようなものを名称を色々変えながら、実物を参考に画像だけで調べることにした。
いきついたのが、おそらくこれ↓


純正かどうかはわからないが、トステムの文言もあるし、見た目やサイズ感が酷似している。生産自体は終了しているようなので、市場に出ている分のみのようだ。
しかしながら価格が、た、高い。。。 2万円近くする。お店によっては2万円を超えている。
といってもこういうパーツがどれぐらいするものかわかっていないので、何ともいえないが個人的な感覚としては高いものだった。

上記を基準とするが、市場には互換品や代替品というのがあると思うので、そちらを探してみることにした。
何かとあるかと思ってはいたが、なかなか見つからないものだった。

探していて気付いたのが、サイズ感こそ異なるものの、代替品となりそうなものがちょくちょく見受けられる。小さくても機能的には同様のものを試すことに方針を転換することにした。

そこで今回選んだものがこれ↓
タキゲンのエアダンパー「B-481-1」

他のものがダメというわけではなく、今回の目的に一番近いと思ったためだ。
価格は6000円前後。基準としていたものより3分の1ほどで済む。
シリンダーのサイズだが、先ほどの純正と思われるものが511mmなのに対し、こちらは407mmと100mmほど短い。

ということで購入。
大きめの封筒に直管の蛍光灯のような感じで細長い箱が届いた。

早速開封。

イメージ通りの見た目だ。
長さを見てみよう。既設のものと比べると当然ながらロッドが閉じている状態と伸びきっている状態で長さの違いがわかる。

既存のものを外すと、固定パーツなのか高さ調整のスペーサーの役割なのかは定かではないが、アダプターがついていた。購入したものにはこれらは付属していなかったので付け替えることにする。

両面テープでついていただけなのか、カッターを入れたらすぐに取れた。両側を取って、古い粘着物をきれいに取り払う。

両面テープを貼り付け、ネジ穴部分をくり抜いてアダプターを接着。
規格化されているのか、サイズ感バッチリだ!ネジ穴位置もピッタリ。

もう一方も同様に接着。

サイズが異なるため、固定位置も異なり、ネジ止めの穴あけも必要になる。シリンダーの右側、ロッドが伸びる方の固定位置は、既存のものをそのまま使えそうなので、穴あけはシリンダーの左側だけ。

ネジ止めのサイズに合うようドリルで穴を開ける。画像にある黒い点は、位置決めのためのマークなので気になさらず。
ただ、ここで少々問題が。。。

手持ちの工具にネジ山を掘るいわゆるネジ切りのビットが無いのだ。高いものでもないので買えば良いと言えばそれまでなのだが、私はそこまで工具を多用するような作業をする方ではないので、これだけのために買うことをあまりしたくなく、可能な限りあるもので対応したいというタイプである。
なので強引だが、ネジそのものを回してネジ山を掘ることに。もちろんおすすめはしない。

穴もネジ山もできたところで取り付け。穴あけ場所もOKだ。

では、ドアの開閉を試してみよう、、、ん?

届かない!?

いや、届かないのではなく、マグネット同士が反発しているのだ。
誤算だ。元々ついていたエアダンパーのロッド先にはマグネットがついておらず、金属のみだったのを考慮するのを忘れていたのだ。

そもそもロッド先と、ドア側パーツの接触部分(画像の丸い部分)には両方ともにマグネットがついているのだ。この場合、マグネットの同じ極が向かい合っている状態だ。どちらの極かはわからないが、N極とN極のように反発する側が向かい合ってしまっているようだ。ロッドの縮む方向へは多少の遊びがあるので、ドアが閉まってもドアの重みとマグネットの反発により、ロッドがよりシリンダーの奥の方へ押されてしまうのである。

ここがくっついてくれないと、ドアを開ける時にロッドを伸ばせない。

エアダンパーのロッド先のマグネットを外そうかと思ったのだが、きっちり接着というか固定されているので外すのは難しそうだ。ドア側も打ち込んでいるのか、まぁまぁ固い。
どちらも無理やり外すこともできそうではあったが、きれいに外せそうになかったのでやめておいた。

何か無いかと探したところ、こういうものがあった。マグネットと金属を貼り付けてあるものだ。
両サイドにマグネットなので、間に入るサイズ感の金属を挟めば良いと思うが、すぐにあったのがこれだったので、これを間にかませる。

くっついた。

ドアを開けるときも、ロッドがきちんとついてくる。
かなり原始的な方法ではあるが、ドア開閉は問題なくできるようになった!

後付けのマグネットの使い方は少々特殊ではあるが、サイズが異なるエアダンパーでも無事交換ができた!何度もドア開閉しても静かに閉まるようになったのだ。

後は耐久性だ。
値段が安くサイズも小さいということで、耐久性が気になるところだが、今後の状況次第だ。
素材など頑丈になっていることを願うばかりだ。

どちらにせよ、気になっていた音が解消できた。
かなり良い買い物ができたと思っている。
╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ

参考までに動画をアップしておく。