車載用ドリンクホルダーで「湯煎」保温は可能か?

とあるECサイトで車用品を調べていると、車で使える保温や保冷ができるドリンクホルダーというのが目に入った。
仕事柄車をよく使うため、飲み物をいつも車内に持ち込む私にとっては、寒い時期などでも温かい温度を保てるのはありがたい。。。すぐに購入した。

だが、試してみると保温できるのは確かにできるのだが、容器にもよるが保温する熱が効率良く使えておらず、正直、結構無駄が多いことに気づく。
そこで、もっと無駄なく効率よく保温できるようなやり方はないかと、試してみることにした。

注意してほしいのは、この記事ではタイトルの通り湯煎を試すため水を使用するが、購入したものは本来液体は使用できないことになっている。本記事の内容は、用途外使用になるため、機器への影響が不安な場合はやめておいた方が良いのでご了承願いたい。

購入した商品はこちら。
中身は至ってシンプルで、本体とシガーソケットケーブルと説明書。

直径が7.5cmあるので幅広い容器に対応している。内側の素材は比較的熱伝導の良いアルミ。
私がよく飲むのは185gのいわゆる一般的な缶コーヒーだが、本体に入れてみると当然だが余裕で入る。

しかしだ、おわかりいただけると思うが、幅広い容器対応のために画像のような比較的小さな缶コーヒーにとっては隙間が広すぎるのだ。仕様によると発熱するのは底面の内部にある発熱プレートのみ。その熱がアルミ部分に広がっていくため、隙間が広ければ広いほどほど熱が効率よく伝わらないのだ。
常温よりかは温かい空気に包まれるので冷めにくいとは思うが、隙間を埋める専用のアダプターとかも無いので無駄に感じてしまう。

ご存じの方もいるかもしれないが、この手の缶コーヒーの底は5mmほどくぼんでいて平ではない。発熱部分に密着している面積が多い方が、当然熱が伝わりやすいと考えられるが、実際、この缶容器の場合は発熱部分に接触しているのは底の円周部分だけということになる。

また、温度の話とは異なるが、缶容器の場合、金属同士が触れているので、走行中の振動によるカタつき音が非常にノイジーである。路面がなめらかであれば気にならないが、そうでない場合はカタカタと金属音がずっと鳴っているので、気になる人はなかなかのストレスになり得る。
ちなみに私がそうである。

当初、隙間が多いということで、空いている部分にアルミホイルを詰めてみたりするが、あまり効果は得られず。
ドリンクホルダー本体の内側アルミ部分には穴とかも無く、漏れたりしなさそうなので、液体はどうかと思い、缶底のくぼみを埋められる程度の水を入れてみた。
結構、いい感じである。

発熱プレートの最高温度は65度とのこと。保温時には発熱部分に触れてはいけないという注意書きがあるのだが、私はどうしても試してみたくなるタイプなので触ってみると、めちゃくちゃ熱いっ!ずっと触れていられないほどだ。

水が沸騰するまではいかないため、蒸発とかもないのでちょうど良い。65度はあくまで発熱プレートの温度であって、飲み物がその温度になるわけではないが、底面に注いだ水が65度付近をキープするので、湯煎の完成だ。

実際、この状態で使用してみたところ、水が冷たい間は仕方がないが温度が上がってからは驚くほどの保温効果を発揮していた。水を使わない本来の使い方とは段違い。水の温度が上がってしまえば自動販売機で購入した直後の状態くらいが保てていたと言っても過言ではない。
水の投入量も少ないためか、温度が上がるのも時間はそんなにかからず、体感では2分もすればだいたい温まっている。
加えて、水がある程度のクッション代わりになるので、カタつき音が大幅に改善されたのも大きい。

ただし、デメリットもあった。
液体なので曲がり角をまがる時や段差、衝撃の度合いによっては、水が若干こぼれるのである。水を入れるのを缶底が沈むくらい少しにしたのは、こぼれる可能性もあったからなのだが、これでは気にしながら運転しなくてはならない。また、ホルダーから缶を取り出す時、水が滴るため飲むたびに足に垂れてしまうのである。

これは論外だ。

こぼれるのを防ぐため、おしぼりを使ってみた。似たようなものならミニタオルでも良い。使い方は、ある程度水を含ませ、缶容器に軽く巻き付けて形を作ったものをホルダーにはめるだけ。
この状態で、水も先ほどの通り缶底が浸かるくらい入れる。

この状態だと、溜まっている水が温度をキープしつつ、水のこぼれや飛び散りもおしぼりが吸収してくれる。また、缶を取り出す時の水の垂れも、おしぼりの上部を触れさせることで吸い取ってくれる。
この状態でもおしぼりの下部のみ温かいだけで上の方は温かくはなかったが、飲み物自体には十分な保温効果があった。

これでOKだ!
強いてデメリットを言うなれば、水とおしぼりの準備と片付けが手間ということだろうか。また、ホルダーのケーブル差し込み口あたりは通気口になっており、ここに水が入ると故障する可能性が高いので十分注意する必要がある。

数か月ほど湯煎とおしぼりで保温環境を続けているが、今のところ不具合や問題もなく使えている。寒い時期でも、温度低下なく飲み物を楽しめるのは本当にありがたい。

缶の中身が残り少なくなってくると、湯煎の水位と近くなってくるので保温というよりむしろ加温レベルになっていることも効果のほどを物語っている。
(^^♪

冬の季節に購入してすぐに保温だけ試したため、「保冷」効果は不明である。