自分でコインメック交換!メーカー違いや古い自販機でもOK?令和の新500円対応
令和3年に発行された新500円を目にすることが多くなってきましたね。
幅広く流通するにつれて懸念事項が色濃くなってきております。
私は仕事の関係で自販機運営をしているのですが、今回のように新しいお金が登場するとそれを受け入れるために偽造や損傷を検知したりする識別装置の改作や交換が必要になってしまうのです。
全台新500円に対応しておりません。。。
この識別装置は、簡単に言うとお金を識別するアクセプタと、お金の種類によりお金の通り道を制御する選別機一式のことを指し、これらをコインメックやコインメカニズムと呼んだりします。
基本的には自販機の保守やサポートがついていればコインメックの改作や交換に対応してえもらえるのですが、無償というわけにはいかないことも多く、条件があったりします。
コインメック代など、これがまた高価なもので、1台対応するのに40,000円~50,000円ほどしてしまい、自販機の売上がバグっていれば問題ありませんが、おいそれと購入できるものではありません。
そこで今回はコインメックの交換自体は簡単なので、コインメックの調達から交換まで自身で行うことにしました。
紙幣にもビルバリと呼ばれる紙幣用の識別装置がありますが、ここでは硬貨用の識別装置であるコインメックのみの内容です。
現状把握とコインメック調達
自販機設置場所の関係で今回は3台分を交換の候補としましたが、私のところで扱っている自販機のコインメックは現状どんな機種が使われているのでしょうか?
確認したところ、型番(?)がCLX-3、CGX-6、FJVでした。なんと全部バラバラ。。。
CLX-3、CGX-6はコンラックス社製、FJVが富士電機製です。ちなみにFJVが搭載されている方は、自販機自体も富士電機製です。
自分で交換するとなると気になるのはやはり適合可否ですね。個人的には同じメーカーなのだから後継機で互換性があるだろうと思いながらも念のためメーカー確認。とりあえずコンラックス社に聞きました。
CLX-3もCGX-6も古すぎて保守対応が終了済みでしたが、後継機で基本的には動作するとのこと。メーカー違い(ここではFJV(富士電機製)からコンラックス社製後継機に交換すること)でも動作するとも回答もらえました。
ただし、「基本的に」というように自販機自体がかなり古いので、どのような制御構造なのか不明なため結局のところやってみないとわからないといったところです。
一応、富士電機社に「FJV」の新500円の対応可否を問い合わせると、可能ということでした。
コインメックだけの販売はしていないとのこと。
コインメックですが、調べてみると新500円に対する機械関係の需要が少なからずあるのか、オークションサイトやフリマサイトでもちょくちょく見かけますので、メーカー直接ではなくこれを利用することにしました。
メルカリの場合はこちら
中古は当然不良品が気になります。購入するもののポイントとしては、新500円に対応していることを前提に、コインメックとして動作確認済みのもの、機種の新しいものを選んだ方が良いでしょう。
コインメックも消耗品ですので、安さを重視しすぎると、機種の古いものを強引に新500円対応に改作したものだったりすると全体としての寿命が不安です。
これらを踏まえ、本記事作成時点で流通しているコンラックス社製「CLX-V100」シリーズの「CLX-V110」を購入しました。
というか私が調べた中では、コンラックス製か富士電機製の2社が主流で、コンラックス製の方が流通量が多く、選択肢が多いです。
私が購入したものはこちらの新500円に対応した「CLX-V110」。
1台約13,000円でした。
コインメック交換の費用
個人的な範囲ではありますが費用の相場を調べたところ、かなり幅があり、1台あたり大体13,000円~50,000円でした。(端数は削ってます。)
メーカーに直接交換依頼する場合:45,000円~50,000円
自販機関連の保守などを行う業者に依頼する場合:25,000円~38,000円
自分で行う場合(コインメック購入して自分で交換):13,000円~30,000円
メーカーや業者に依頼する場合は、人件費、出張費なども含まれます。
今後、新500円に対応したコインメックの流通量が多くなれば、もっと安くなるかもしれませんね。
というわけで、費用を抑えるため自分で交換してみることに至りました。
コインメック交換
そもそも私は、自販機の機械的なメンテナンスはメーカーやベンダー業者じゃないと難しいと思っていたのですが、内容によっては可能なこともあり、今回のコインメックの交換がその一つです。ドライバー1本でできます。
「CLX-3」搭載自販機のコインメック交換(古い機種)
「CLX-3」は他の「CGX-6」や「FJV」と大きく異なる点があり、100円玉を連続して5枚以上入れることができるという特徴があります。「CGX-6」や「FJV」そして、今回交換用に購入した「CLX-V110」は4枚までしか投入することができず、5枚以上入れると素通りして返却されてしまいます。むしろ今はこれが主流のようです。
メーカー確認の時に「CLX-3」からの交換は、このことがもしかしたら影響するかもしれないと言っていました。
とりあえず交換してみましょう。
まずは、自販機の電源を切ります。
機種によると思いますが、通常は自販機左下か右下の方にスイッチがあります。
次にコインメックの近くにある接続用のカプラーを外します。
他にも配線されているので、外すところを間違わないようにします。
コインメック左上のレバー(ツメ?つまみ?)を引っかかっている方からから反対の方向へ動かしながらコインメック上部を手前に引くと前に外れます。配線がつながっているので引きすぎないようにします。
この配線を外すとアクセプタを分離できるので、後の作業がしやすいです。
選別機単体の型番「CLX-30-R」とアクセプタ単体の型番「CLXA-30」と思われる表記が確認できますね。
背面のネジが3箇所あるので外すとコインメックが外せます。
ネジを外さなくても緩めて本体を少し持ち上げて引くだけでも外れます。
これだけでコインメック外せます。カプラーとネジを外すだけです。
交換用コインメックを取り付けるときは上記の逆をします。
いざ、電源ON!
カチャカチャ機械音が鳴りました。初期動作(初期化?)です。
が、しばらく待っても動作が安定しません。
内部でリセットされるのか初期動作がループしてしまいます。どうやら適合しないようです。。。(°д°)
原因は定かではありませんが、メーカーからの回答でも動作はするはずだが、先述の通り100円玉投入可能枚数が影響しているかもしれないという見解でした。保守が終了しているので原因追及や修理などは不可なのですが、自販機側で投入可能枚数を制御してはじかれているかもしれません。その他、自販機に搭載されている他の機械とで何かしら干渉している可能性も高いと聞きました。
もちろん、購入したコインメックの故障や不具合も考えましたが、他の自販機に同じコインメックをつけて試しましたが、問題なく動作したので自販機側の要因だと考えれます。
というわけで元に戻しました。(→当然ながら動作しました。)
後日、昔自販機関連でお世話になった業者さんに相談したところ、古い機械ではあるが上記に対応できる機械を持っており交換もできるとのことでした。
新500円に対応できないままではよろしくないのでこちらに関しては交換をお願いしました。
交換に使用した機種は新500円対応に改作した「CLX-4」でした。
少し古いのでは?なんて思いましたが、型番は古いものであっても整備されており、内部的には比較的新しいもののようです。
「CGX-6」搭載自販機のコインメック交換(シリーズ違い)
交換の要領は同じです。
ただ、こちらはアクセプタを外した時に確認できる単体の型番の数字が一致しておりませんでした。
表面の型番の数字が「6」なので、単体の型番も先ほどの「CLX-3」の時が「30」だったように「60」なのかと思いきや、「CGX-60S-AR」と「CGXA-40」で一致していませんでした。意味があるかどうかはわかりませんが、全部交換してしまうので影響は無いでしょう。数字が一致してなくても動作するみたいですね。
このコインメックの固定は下のネジ1本だけで、上2つはツメのようになっていて引っ掛けているだけでした。
電源ON!
初期動作が始まり、先ほどとは違いすぐに終わりました。
わかりにくいかもしれませんが画像のように「受入可」のライトが点灯しました。
無事適合したようです!新500円で試したところ購入できました!
「FJV」搭載自販機のコインメック交換(メーカー違い)
交換の要領は同じです。
こちらに関しては、富士電機製自販機の富士電機製コインメックを他メーカーのコインメックに交換することになります。メーカー確認でも基本的には動作するということですが、先ほどの例もあるので交換してみないとわかりません。こちらの自販機もなかなか古いものです。
単体の型番は「FRJ412」と「FJVT451E」。
ネジは「CGX-6」の自販機と同じく、下1本だけで、上は引っ掛けているものでした。
こちらも電源ON!
初期動作→すぐに終了。適合です!
個人的な印象ですが、メーカー違いは何かと相性があって少し懸念しておりましたが大丈夫でした。
新500円も認識してくれました。
まとめ
今回3台分のコインメック交換を試しました。まとめると下記になります。
旧 | 新(新500円対応) | 適合可否 | 補足 |
CLX-3(コンラックス製) | CLX-V110(コンラックス製) | 否 | 古い機種。自販機に搭載されている他の機械との干渉が影響? |
CGX-6(コンラックス製) | CLX-V110(コンラックス製) | 可 | シリーズ違い |
FJV(富士電機製) | CLX-V110(コンラックス製) | 可 | メーカー違い |
最終的な費用は、自分で交換した2台分が26,000円(13,000円×2)、自販機関連業者に依頼した1台分が25,000円で合計51,000円でした。
1台適合しなかった分ですが、この記事には出てきていない自販機(搭載コインメックは「CLX-4」、「CLX-6」)でも試しに交換してみたところ、どちらも問題なく動作しました。
CLX-4もCLX-6もCLX-3ほどではありませんが、古いことは古いので、一概に古い機種からの交換はダメというわけではなさそうです。
古い機種でもメーカー依頼により新500円対応に改作(制御の書き換え)は可能です。今回の場合ではありますが、「CLX-3」からの交換は、自販機(または自販機内の他の機械)との相性も影響することがわかりました。
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